チューニング

ギター各弦の音程は、上から順に6弦「E(ミ)」、5弦「A(ラ)」、4弦「D(レ)」、3弦「G(ソ)」、2弦「B(シ)」、1弦「E(ミ)」です。
こちらの調弦方法について書きたいと思います

昔は今のような便利なクリップチューナーがなくて
私の周りの人たちも下記の音叉を使っていました
下記は私の愛用の音叉

今はクリップチューナーも色々あり便利ですが
電池が切れて、チューナーが使えない時のために
チューニング方法を書き留めます

5フレットの実音と開放弦を使う方法

この方法は、開放弦の音とフレットを押さえた実音を合わせるものです。
まだギターを始めて間もない方におすすめの方法です

手順:

  1. **6弦5フレット(A)の音を5弦開放弦(A)**と一致させる。
  2. **5弦5フレット(D)4弦開放弦(D)**と一致させる。
  3. **4弦5フレット(G)3弦開放弦(G)**と一致させる。
  4. **3弦4フレット(B)2弦開放弦(B)**と一致させる。
    (ここが唯一4フレットを使うポイント)
  5. **3弦4フレット(B)2弦開放弦(B)**と一致させる。
    (ここが唯一4フレットを使うポイント)
  6. **2弦5フレット(E)1弦開放弦(E)**と一致させる。

⑤を基準にしてハーモニクスと開放弦を使う方法


このやり方はハーモニクスができる方向け。
人によってやり方が全く違うので、正解ではありません。
あくまでも1例です。
(1弦のミを基準に他の弦を合わせる人、すべてハーモニクスで行う方いろいろです)
また順番も下記の通りでなくて、好きな順でかまいません。
本当に参考までに本の1例として・・

手順:
できれば5弦だけは、メトロノームに付属している音叉機能や
他楽器のラ音を使って合わせておくと良い
(ない場合はスマホのアプリの音叉など)

その5を中心に他の弦を合わせて行くやり方となります

  1. 5弦の7フレットハーモニクス==6弦の5フレットハーモニクス
  2. 5弦の7フレットハーモニクス==1弦の開放音
  3. 6弦の7フレットハーモニクス==2弦の開放音
  4. 5弦の7フレットハーモニクス==2弦5フレット実音
  5. 5弦の開放音==3弦2フレット実音
  6. 3弦9フレット実音==1弦の開放音
  7. 5弦の5フレットハーモニクス==4弦の7フレットハーモニクス
  8. 6弦開放音==4弦の2フレット実音などで確認
  9. 3、2、1などもオクターブ音程で確認してみる
  10. 最後に大セーハのFコードやAコードなど、なにか和音を弾いてバランスを確認する


結局、どんな調弦方法でも完璧には合わない

クラシックギター(およびすべてのフレット楽器)が平均律に基づいているため、
どの調弦方法を使っても完全にピッチが合いません。
たとえチューナーで開放弦を平均律に合わせても、フレットを押さえると純正律とズレてしまうため、どこかで妥協が必要になります。

理由は、下記です。


1. 平均律と純正律のズレ

調弦方法の多くは純正律(Just Intonation)を基準にしていますが、ギターは平均律(Equal Temperament)に調整されているため、音程のズレが生じます。

純正律と平均律の違い

  • 純正律は、和音が最も美しく響くように音程を調整する方法です。
    • 例えば、**完全5度(3:2)や長3度(5:4)**が整数比の関係になっています。
  • 平均律は、**すべての半音が等しい周波数比(1.05946倍)**になるように分割されています。
    • その結果、純正律と比べて長3度(E-Bなど)の音程がわずかに広がり、完全5度(A-Eなど)が少し狭くなるというズレが生じます。

ギターの構造による誤差(フレットの配置誤差)

ギターのフレットは理論的には数学的な計算に基づいて配置されていますが、以下の理由でわずかに誤差が生じます。

(1) ナットとブリッジの補正

  • ギターの弦は押さえるとわずかに伸びるため、実際の音程は計算値よりも高くなる傾向があります。
  • これを補正するためにナットとブリッジの位置を微調整していますが、完璧ではありません。

(2) 各弦のテンションと弦長の違い

  • 弦の太さやテンションによって音程の誤差が変わるため、特定の弦では微妙なピッチのズレが生じることがあります。
  • 例えば、3弦(G弦)は特に調整が難しいとされ、オクターブピッチが他の弦よりズレやすいです。

3. 演奏時の指の圧力や温度・湿度の影響

  • 弦を押さえる圧力が強いとピッチが上がる
    • 特にクラシックギターはナイロン弦なので、押さえる力によって音程が変わりやすいです。
  • 温度や湿度で弦やネックが変化する

結論:どの方法でも「完全」には合わないが、実用的なバランスを取るのが重要

ギターは平均律に基づいてフレットが配置されているため、どの調弦方法でも完全には一致しないという宿命を持っています。

解決策

  • チューナーで開放弦を合わせた後、耳で微調整する
    • 特に3弦(G)と2弦(B)の間の音程は、チューナーの値だけでなく、実際の響きを確認して微調整するとよいです。
  • 演奏するキーに応じて調整する
    • 例えば、Cメジャーの曲を弾くなら、Cコードが最も美しく響くように微調整すると実用的です。
    • ギターの調弦は「どの音を最も正しくするか」のバランスを取ることが重要です。