クラッシックギターでバッハを弾くことのハードルが高い・・
かつての私がそうでした。
その難しさの1つの要因が譜面選びでした。
下記の4つは
「バッハ無伴奏チェロ組曲1番『アルマンド』」のある1節です。
私が所有している4種類の楽譜のまったく同じ場所を切り取り、並べてみましたが
どれも全く違うのが分かります。
トリル、スラー、タイ、低音の位置、長さ、数、オクターブ上下どちらで取るか、和音or単音なのか・・
使用する音そのものの違いもあり、またフレーズの解釈にも違いがあります。
譜面の表記の方法については特に悩ましいものがあります。
「バッハ無伴奏チェロ組曲3番『クーラント』」の同じ箇所です
上の書き方は1拍目の1音目が低音と重なるように表記されているので
フレーズが低音からスタートするアルペジオ的にかかれています。
下の楽譜は2声の役割が分かれていて
各フレーズが1拍目の裏からスタートするという解釈を読み取れます。
この書き方の方が親切ではありますが、
ただし、1つの五線譜ですべての声部を書き分けるのは難しく、煩雑になる場合もあります。
どの楽譜を選ぶかで、難易度や表現が変わってくるので
クラッシックギターにおいて、バッハは譜面選びがかなり重要に思います。
原則、ギターに限らず演奏するには譜面選びは大事ですが、
事のほかバッハについては
ギターという楽器の特性や、制限上のこともあり、
解釈を交えると色々思うことが出るのか、
様々な編曲が生まれてきます。
そしてとりわけ、バッハでは構成などに解釈に入れ込むと深みにはまり、専門家も生まれる…
その奥深さがまたバッハの編曲の楽しみになっているのかも知れないですね。