ハーモニクスの表記について
ハーモニクスの書き方は、実にたくさんあって、時代や作曲家によっても違うので、
迷うところです。
いまだにハーモニクスの表記に統一がされているわけではないので、
その時々に応じての判断が必要になる時があります。
ここでは主に3種類に分けて説明したいと思います。
- 開放弦式
使用する開放弦にフレットの数字が書いてある方式です(この数字は、ローマ数字の場合もあります)。
(また丸囲み数字を添えて、さらに使用する弦を表記している楽譜もあります。)
クラシックギターにおいては、1番多い書き方になっています。
開放弦だけで表記しているので、位置がわかりやすいけど
デメリットはどんな音を出して欲しいのかが瞬間的にわからないところです。
- 指板式
ハーモニクスを出してほしい指板の位置の実音にフレット番号を添えて表記する方法。
丸囲み数字は、使用弦を示しています。
こちらは 楽譜からメロディーを察知する事は可能ですが、
デメリットは、使用弦の指定が必要であるので、譜面がどうしても複雑になってしまうこと。
- 出力音式
とにかくハーモニクスで実際に出してほしい音で書いてある。
どこのフレットを使うか自然ハーモニクスなのか人工ハーモニクスなのかなどは
演奏する人の判断に委ねる場合と、
使用する弦を書いてある場合もある
略記号について
ハーモニックスを表記する略記号には次のものがあります。
Hram. Har. ar. arm. ・・・など
この略記号の後ろに、 点線をついている場合は、ハーモニクスの範囲を示しています。
ハーモニックスが終わり、普通の音に戻る場所には、nat.ナチュラル(実音)を示して区別することがあります。
音符の形
主に下記の4種類があります
- 普通の 音符に上記の略記号
- ◇マーク(菱形)
- × +記号・・・セゴビアその他
- ○記号・・・ヴィラ=ロボスその他
次回は ハーモニクスの音の出る仕組みと何フレットで実際何の音が出るかについて書いてみたいと思います。