ハーモニクスの表記

クラシックギターの曲のハーモニクス部分を表記する方法はいくつかありますが、
どれも一長一短があり、なかなか難しい問題です。

二重奏で有名なソル「ロシアの思い出」を題材にしてみます。

この 1節のハーモニクス部分の楽譜が下記となります

数字がローマ数字で読みにくいので、今回は最も使われる2種類の表記方法で書き直しをしてみたいと思います
*ただし、3フレットのハーモニクスは音が出にくいので、オクターブハーモニクスに変更。

 ②5Fハーモニクスは①7Fに変更。

A:開放弦式・・使用する開放弦で音符を書き、左手の指で触れるフレットの位置を数字で書く方法


 (弦はすでに音符で示されているので、弦の番号(丸囲み数字)は、わざわざ表記しない時もある)

昔から一番よく使われているのは「開放弦式」です。
どの弦のどこのフレットか場所がはっきりしているので、一種のタブ譜的なものと言えるかもしれない。
  *オクターブハーモニクス(右手のハーモニクス)の箇所は8vaを書き足して、区別します。
欠点は、 瞬間的に視覚的に弾く場所がわかりにくいことです。

B:指板式・・・左手で触れて欲しい指板の実音で音符を表記して、さらにフレットの位置や弦の番号を書く方法です。

普通の楽譜を読むのと同じ感覚なので、瞬間的に触れる位置がわかりやすいです。
ただ、これにも問題があります

 音符だけでは弾く場所が特定できない。例えばシという音符の場合それはどこのシなのか、①か②か
 いくつか候補が出る可能性があります。

 さらにオークターブハーモニクスが混ざると分かりにくくなる可能性があります。

皆さんはどちらの表記の方が弾きやすいでしょうか?